PECSユーザーの皆様、

毎日のお仕事や支援本当にお疲れ様です。

まず初めに、このたびの熊本での地震により被災された皆様、そして今も避難生活や余震の不安の中で過ごされている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
突然の環境の変化や、大きな警報音・地震の揺れは、発語でのコミュニケーションが難しいご本人にとって、私たちが想像する以上に大きな恐怖やストレスになります。

そこで今回は、そんな「もしも」の時に、お家や避難先で命を守るためにアリサ・アン・ルーチ・バーン財団(AARBF)と弊社と提携して作られた、「火災や火傷から身を守るためのキット「N.I.C.K.(ニック)プログラム」のイラストを参考に、お家で無理なくできる優しい防災訓練と、9月の新学期を安心して迎えるためのスケジュール管理について分かりやすくお伝えします。

1. 【最重要】絵カードで教える「命を守る3つの安全行動」
災害時のパニック状態では、大人からの「逃げて!」「危ない!」という言葉の指示(聴覚での指示)が理解するのが難しい時があります。あらかじめ、添付の図にあるような視覚的な指示カード(絵カード)を見て、体が自動的に動くように練習(理解コミュニケーションの指導)しておくことが命綱になります。
ご家庭や避難先で、まずは「まねっこ遊び」やゲーム感覚で以下の3つの基本行動を練習してみましょう。

 

① 火災・煙から逃げるとき:『しせいを ひくくして にげる』

行動: 「しせいをひくくする」→「にげる(出口へ向かう)」をセットで教えます。

教え方: 絵カードを見せながら「これして」と伝えます。最初は、保護者様が一緒に四つん這いになって(身体プロンプト)ドアまで進みます。できたらすぐに、強化子(例:本人の大好きなオヤツやおもちゃ、誉め言葉など)をあげてください。

② 服に火がついてしまったとき:『とまる、ゆかにたおれる、さゆうにゴロゴロころがる』

行動: 走ると火が勢いづくため、まずは「とまれ(ストップ)」→「たおれる」→「転がって火を消す」という一連のステップ(行動の連鎖)を教えます。

教え方: 一度に全部をやらせようとせず、まずは「とまれ」のカードでピタッと動きを止める練習から始め、できたら次の「ゆかにたおれる」を教える、というように1ステップずつ確実に形作っていきます。

③ やけどをしてしまったとき:『やけどを冷やす(5分間)』

行動: 水道などの流水で、やけどの箇所を「5分間」じっと冷やし続ける行動です。

教え方: じっとしているのが苦手な場合は、添付の絵にあるような「キッチンタイマー(視覚的タイマー)」を使いましょう。

タイマーの赤い部分が減っていくのを見せながら、「赤がなくなったらおしまい」と終わりをハッキリ提示することができます。追加の強化システムが必要な場合は、トークンボードなどを使い「このために頑張っているんだよね!と、選択した強化子のことを思い出させながら適切な行動を強化してあげましょう。

 

9月の新学期(施設再開)に向けたカウントダウン

8月後半に向けて、徐々に「お休みモード」から「学校・作業所モード」へ、生活リズムと心の準備を整えていきましょう。環境の変化による「休み明けの行きしぶり」や不穏を防ぐためのアプローチです。

「あと何回寝たら学校?」を見える化する
カレンダーを用意し、学校や施設が始まる日に「学校のイラスト(通学バスなど)」を貼ります。毎日寝る前に、終わった日に本人に「×」をつけさせましょう。例えば「ひまわり(休み)のマーク」が終わり、「バス(学校)のマーク」が近づいてくるのを視覚的に確認させることで、2学期が始まる準備を促します。

生活リズムの調整(1週間前から始動)
新学期が始まる直前ではなく、1週間〜10日前から、学校に行く日と同じ時間に起きる、同じ時間に着替えるというスケジュールカードの並びに切り替えてみる。特に睡眠リズムの乱れは行動の乱れに直結するため、朝カレンダーを確認して「起きる時間」を視覚的に約束することから始めてみてください。